DX推進体制と成果
自社DXで培った知見をお客様のDX推進へ展開し、自社と顧客がともに成長する好循環の実現を目指しています。
DX推進体制と成果
当社を取り巻く市場環境は、人手不足の深刻化やデジタル化の加速により大きく変化しています。こうした環境変化の中、従来の機器販売・構築中心のビジネスモデルは、市場縮小や価格競争激化のリスクを抱えていました。そこで当社は、これを成長機会と捉え、第3期中期経営計画「FuSodentsu Vision 2027」において、お客様の経営課題解決と事業変革を支援する伴走型DX支援企業への転換を掲げました。さらに、製品・サービス起点から業種起点への転換を進めるため、自治体、医療、流通・小売をはじめとする6業種を重点市場に設定し、業種固有の課題や業務プロセスへの理解を深めながら価値提供を強化しています。
その実現に向け、自社DXで蓄積した知見やノウハウをお客様へ展開することで、自社DXと顧客DXの好循環を生み出し、新たな顧客価値と事業価値の創出を進めています。当社は「自社で実践し、成果を確認したDXのみをお客様へ展開する」という方針のもと、データ活用やAI活用の実践知を活かし、お客様の業種や事業特性に応じた最適なDX施策を提案しています。人手不足対策、業務効率化、サービス品質向上などの共通課題に対し、実効性の高いDXを推進しています。
「扶桑電通モデル」
当社は、「営業×SE×保守」の一体体制、「全国54拠点による地域密着型サポート」、「業種特化」、「CallKeeperDXなどオリジナルパッケージの提供」、「自社DX実践知」を融合した独自の「扶桑電通モデル」を確立しています。このモデルにより、お客様の課題発見からDX戦略の立案、システム導入、定着支援、成果創出までを一貫して支援しています。単なるシステム提供にとどまらず、自社で実践し成果を確認したDXの知見と、全国54拠点の地域密着型ネットワークを活かすことで、地域や業種ごとの課題に応じた再現性の高いDXを全国展開できることが当社の強みです。
DX推進体制
DXは経営戦略そのものであり、代表取締役社長を責任者として全社的に推進しています。代表取締役社長自らがDX推進責任者として全社DX戦略を統括し、定期的な進捗レビューを通じて重要施策の意思決定と成果評価を実施しています。当社は2022年10月にDX推進室を設置し、全社横断でDXを推進する体制を構築しました。DX推進室と各ワーキンググループ(WG)が連携し、自社DXと顧客DXの両輪による価値創出を推進するとともに、施策の進捗状況や成果を経営会議で継続的にモニタリングすることで、経営戦略とDX実行の一体化を実現しています。
ビジネス革新WG
業種別DX戦略や事業機会創出型DX提案の研究・実践を通じて、お客様の経営課題解決と事業変革を支援する伴走型DX支援モデルの構築を推進しています。
社内業務革新WG
生成AIやデジタル技術を活用した業務改革と生産性向上を推進しています。また、自社DXの実践を通じて得られた知見をお客様への提案活動へ活用しています。
企業革新WG
DXを支える人財育成・組織変革・企業文化醸成を推進しています。自社DXとお客様DXの双方を支える人財像や組織のあり方を検討し、企業価値向上につながる組織基盤の強化に取り組んでいます。

DXを支える経営基盤
当社では、働き方改革と業務効率化の推進に向け、フリーアドレス化、テレワーク環境の充実、通信インフラの整備、セキュリティ強化、コミュニケーションツールの活用、SFAデータを活用した営業活動の高度化など、DXを支える経営基盤の整備に継続的に取り組んでいます。
さらに、第3期中期経営計画「FuSodentsu Vision 2027」に基づき、経営ビジョンの実現に向けて、ITシステムやデジタル技術を活用できる環境整備を積極的に推進しています。
あわせて、戦略遂行に必要な人財の育成・確保と、内部監査・外部監査による継続的なガバナンス強化を通じて、安全かつ柔軟な業務環境の構築を進めています。
人財を活かす経営の推進
- キャリアオーナーシップを軸とした自律的な人財育成の推進
- キャリアフレーム・キャリアパスを活用した体系的なスキル向上の支援
- イシュードリブン研修を通じた実践的なDX人財の育成
チャレンジ意欲向上に向けた組織変革
- タウンホールミーティングによる経営方針の共有と組織の一体感醸成
- パーパス・スタイルワークショップによる企業理念の浸透
- 社内SNSや事例共有による学び合いと部門間連携の促進
先端技術研究の推進
- AIやデータ活用など先端技術を活用したソリューション・サービスの高度化
- 専門人財の採用・育成による技術力および提案力の強化
- パートナー企業との連携による技術革新と開発力向上
新業務システム移行・業務の高度化
- 生成AI活用を「知る・使う・広める」のステップで推進
- BIツールを活用したKPIの可視化とデータドリブン経営の推進
- 人財情報の一元管理と会議記録の自動化による業務効率化
DX推進の実践と成果
当社では、「DX人財育成」「業務改革」「データ活用」「AI活用」「顧客価値創出」を相互に連携させたDX推進を実践しています。
DX人財の育成を起点に、業務改革、データ活用、AI活用へと発展させ、その成果をお客様への価値提供や事業成長につなげることで、継続的な企業価値向上を目指しています。
当社では、キャリアオーナーシップを基盤とした人財育成により、自律的に課題を発見し、解決できるDX人財の育成を推進しています。具体的には、キャリアフレームやキャリアパスの整備による育成のフレームワーク作りと、さまざまなDX関連研修を通じて、経営課題やお客様の課題を起点に価値創出できる人財の育成に取り組んでいます。
当社が目指すDX人財は、デジタル技術だけでなく、営業力、SEとしての技術力、保守・運用経験、さらには業種知識を兼ね備えた人財です。お客様の業務や経営課題を深く理解し、課題発見から改善提案、システム実装、定着支援、成果創出まで一貫して伴走できることが当社DX人財の大きな特徴です。
そのため特に、技術スキルに加えて、自治体、医療、流通・小売業をはじめとする業種特有の課題や業務プロセスへの理解を重視しており、経営視点と業務視点を兼ね備えた実践的なDX人財の育成を進めています。
これらの取り組みによりDX人財比率(DX検定取得者比率)44%を達成するとともに、2024年にはDX検定(現 DX Next検定)において「企業優秀賞」「優秀賞」を同時受賞するなど、人財育成の成果は外部からも高く評価されています。当社では資格取得そのものを目的とするのではなく、営業・SE・保守・業種知識を兼ね備え、お客様の課題発見から成果創出まで伴走できる実践型DX人財の育成につなげています。
DX人財育成においては、以下のKPIを設定することで、成果と実践状況を継続的に把握し、常に最適なスキルを持つ人材の育成に取り組んでいます。
KPI
・DX検定/DX Next検定取得者数 440名
・DXビジネス検定取得者数 46名
・各種情報処理技術者取得者数 386名
・情報セキュリティマネジメント取得者数 48名
・情報通信エンジニア取得者数 128名他
・AIレディネス研修受講者 158名
(2025年9月末現在)
「業務改革」
基幹システムの刷新、クラウド活用、ペーパーレス化、デジタルマーケティングの推進などを通じて、業務プロセス全体の最適化と働き方変革を進めています。
・会議改革
AIを活用した会議改革として、会話内容の自動テキスト化に加え、要点・決定事項・ネクストアクションを自動整理し、情報共有の迅速化と会議運営の効率化を実現しています。
・経理業務改革
経理業務改革として、請求書管理・経費精算を一元化するクラウドサービスや電子契約を導入し、紙や手作業に依存した業務のデジタル化を推進しています。
・マネジメント改革
さまざまな業務においてデータドリブン改革を進めており、データの一元管理と可視化により、部門横断の業務改革と経営判断の迅速化を実現しています。
その一例として、人財領域ではタレントマネジメントシステムを導入し、人財データを一元化することで、評価・配置・育成・採用などのプロセス改革と戦略的人財マネジメントの高度化を推進しています。
・マーケティング改革
マーケティング領域でも、データドリブン、デジタル活用による改革を進めています。Web解析、SNS、メール、Webセミナーなどを活用し、リード獲得から商談創出までをデジタル化したり、顧客データの一元管理と施策の最適化により、生産性向上と顧客満足度向上を実現しています。
・ビジネス現場業務改革
営業・技術部門においても、提案パターンの標準化や生成AIを活用した提案書作成により営業生産性を向上させるとともに、SE業務では設計書の自動生成やモダナイゼーション対応の効率化を推進しています。
これらの取り組みにより、社員が定型業務から解放され、より付加価値の高い企画・提案・課題解決業務へ注力できる環境を整備し、生産性向上と働き方改革の両立を実現しています。これらの取り組みは、以下のKPIを設定して状態を把握することで継続的な向上を図っています。
KPI
・生産性向上率(売上総利益/人員)
「データ活用」
業務改革、意思決定改革を行うため、BIツールを活用し、経営指標や営業情報、案件進捗、人材状況などをリアルタイムに可視化しています。全社共通のデータ基盤を構築することで、部門ごとに分散していたデータを統合し、現場から経営層まで同じデータに基づいて業務や経営状況を把握できる環境を整備しています。
一例として、売上や利益、営業活動の状況をタイムリーに分析できる仕組みを構築し、データに基づく迅速な意思決定を推進しています。これにより、課題や事業機会を早期に発見し、施策立案から実行、効果検証までのPDCAサイクルを高速化しています。
また、経営層から各部門責任者、さらにFSV2027各ワーキンググループリーダーへと拡大させており、データ活用を一部の担当者や個人のスキルに依存する状態から、組織全体の意思決定を支える文化へと転換することに取り組んでいます。
このように、蓄積したデータを活用した継続的な業務改善に取り組むことで、経営の透明性向上、意思決定の迅速化、経営品質の向上を実現し、データドリブン経営の定着を推進しています。この取組みにおける定着状況は、BIツールの利用対象の拡大と継続利用率をKPIとして設定し継続的にモニタリングしています。
KPI
・利用対象拡大経営層から各部門責任者、FSV2027各ワーキンググループリーダーまで利用対象を拡大
・過去6か月継続利用率は2026年7月末時点で26.1%を達成
・FSV2027最終年度目標の30%達成に向け、利用定着施策を継続推進
「AI活用」
当社では、生成AIを活用した生産性向上と業務品質向上を目的として、全社で「知る・使う・広める」のステップによる活用推進に取り組んでいます。提案書作成、顧客情報分析、企画立案、規程検索、ナレッジ共有など、さまざまな業務への活用を進めるとともに、社員同士が活用事例やノウハウを共有し、優れた取り組みを全社へ横展開するため、「AI活用事例コンテスト」を継続的に実施しています。
本コンテストは、生成AIの活用を一部の社員にとどめることなく、全社的な業務変革へつなげるための重要な取り組みです。そのため、社員の活用意欲や組織への浸透状況を測る指標として、コンテスト応募件数をKPIに設定し、継続的にモニタリングしています。
KPI(AI活用事例コンテスト応募件数)
・2025年度:85件
・2026年度:65件(Copilot部門51件、その他生成AI部門14件)
・2027年度目標:100件規模
今後も、コンテストを通じて創出された活用事例を全社へ展開し、生成AIを活用した業務改革と付加価値創出をさらに加速していきます。
「顧客価値創出」
当社は、自社DXの実践を通じて培った知見やノウハウを活用し、お客様のDX推進を支援しています。
特に、お客様ごとの経営課題や事業課題を整理したうえで、DX戦略の策定から実行計画の立案、施策推進までを一貫して支援する「伴走型DX支援」を展開しています。伴走型支援においては、お客様業種ごとの課題や業務特性を踏まえながら、課題解決施策としては、自社DXで蓄積したデータ活用やAI活用の知見を活かすことで、お客様に最適で実行性のある施策をご提案しています。
こうした取り組みを通じて、お客様の業務改革や生産性向上、顧客価値向上を支援するとともに、競争力強化や企業価値向上につながる成果創出を推進しています。
DXによるお客様の価値創出においては、以下のKPIを設定して状況を把握しながら、全国54拠点の地域密着型ネットワークと自社DXで培った実践知を強みに、業務改革から事業変革、成果創出まで伴走するDXパートナーとして、お客様の持続的な企業価値向上に貢献しています。
KPI
・DX案件化件数
・顧客満足度
「経営成果・企業価値向上」
当社は、DX人財育成を礎に、社内業務改革、データ活用、AI活用を推進しながら、その実践的な知見を活用することで、お客様のDXをご支援しています。
その結果、DX案件を含むソリューション部門の売上高は前年同期比39.9%増、営業利益率は2.3ポイント改善(2024/10/01-2025/09/30)するなど、自社DXの成果を顧客価値創出と事業成長へ結び付け、持続的な成長を実現しています。これらDX推進の成果については、事業成長性、収益性、生産性および顧客価値の観点から経営指標を継続的にモニタリングし、当社の事業成長および企業価値向上につながっているかを評価しながら取り組みを行っています。
KPI
・売上高
・営業利益率
・ROE
・生産性向上率(売上総利益/人員)
・顧客満足度


