扶桑電通株式会社
企業の電話対応を効率化する手段として注目されている「IVR(自動音声応答)」。
特にコールセンター業務の省人化や、営業時間外の問い合わせ対応に役立つツールとして、導入を検討する企業が増加傾向にあります。
しかし、「どのIVRが自社に適しているのか分からない」「費用や機能にどれほどの違いがあるのか知りたい」といった声も多く聞かれます。
IVRシステムは、クラウド型・オンプレミス型・ビジュアルIVRなどの種類に分かれており、それぞれ特徴や価格が異なるため、導入前にしっかりと比較・検討することが重要です。
そこで本記事では、IVR導入を検討する方に向けて、「機能」「費用相場」「特徴」などの観点から各IVRの違いをわかりやすく比較・解説いたします。
▼IVRシステムの詳細については下記もご覧ください。
そもそも、IVRシステムとは何を指すのでしょうか?
基本機能と導入メリットについて、ご紹介します。
IVR(Interactive Voice Response)とは、電話の着信に対して自動音声で応答し、発信者の選択に応じて適切な案内や振り分けを行うシステムのことで、日本語では「電話自動応答システム」と呼ばれます。
一般的には、ガイダンス音声とプッシュ操作(例:「〇〇の方は1を押してください」)を組み合わせ、オペレーターに繋がる前の一次対応を自動化します。
近年では、DTMF(Dual-Tone Multi-Frequency/プッシュトーン)操作だけでなく、音声認識やAIボイスボットとの連携など、より高度な機能を持つIVRも登場しています。
これにより、顧客の利便性が高まるだけでなく、企業側の業務効率も大きく向上します。
IVRシステムの主要な機能は以下の通りです。
IVRの導入では、以下のような効果が期待できます。
また、電話の内容に応じて自動音声が情報提供を行うことで、顧客自身が自己解決できるケースも増えています。
IVRは、業種を問わずさまざまな企業で導入が進んでいます。
こうした活用により、特にコール件数が多い業務を抱える部門においては、IVRの導入効果が顕著に現れています。
複数のIVRシステムが存在する中で、自社に最適なIVRを選ぶためには、いくつかの重要な比較軸を把握しておく必要があります。
ここでは、特に押さえておきたい5つの視点をご紹介します。
IVRの基本機能は共通していても、製品ごとに対応可能な業務範囲や拡張性に差があります。
以下の点を重点的に比較しましょう。
IVRについて詳しくは、下記の記事もご覧ください。
【関連記事】
IVR機能で電話の取次業務を自動化!メリットとサービス選定のポイントを紹介
~導入事例を無料でダウンロード頂けます!~
導入初期費用だけでなく、ランニングコストにも注意が必要です。
以下のような項目を総合的にチェックしましょう。
クラウド型は初期費用を抑えやすく、スモールスタートに適している一方、オンプレミス型は中長期的にコスト最適化しやすい傾向があります。
IVRは、導入後も継続的な運用と改善が必要です。
以下のような運用性・保守性にも注目しましょう。
顧客情報など機微な情報を扱うIVRでは、情報セキュリティ対策も選定基準の重要な一つとなります。
個人情報保護や内部統制が求められる企業ほど、厳格なセキュリティ基準への対応が求められます。
意外と見落とされがちですが、導入後のサポート品質は運用の安定性に直結します。
IVRシステムを導入するだけで電話業務の効率が大幅に改善されると思われがちですが、実際には「思ったほど効果が出なかった」「顧客からのクレームが増えた」といった声も少なくありません。
ここでは、導入前に知っておきたい失敗パターンと、その対策について解説します。
まずは、導入時によくある失敗パターンを見てみましょう。
「IVRを入れることで何を解決したいのか」が明確でないまま導入を進めてしまうと、現場で活用されず、結局“宝の持ち腐れ”になってしまいます。
KPI設定や業務フローへの組み込みが不十分なケースも多く見られます。
IVRで受けた情報を担当部門へ引き継ぐ運用が整理されていないと、対応もれや重複対応といった問題が発生します。
IT部門と業務部門の連携が不足している企業に多い課題です。
よくある失敗の一つが、階層が深すぎるメニュー構成や、選択肢が多すぎることで、顧客が途中で操作を断念してしまうケースです。
特に高齢者やスマートフォンに不慣れなユーザーにとっては、複雑なIVRはストレスの原因になります。
運用開始後の失敗例には、次のようなものがあります。
音声フローの設計ミスや、電話回線・PBXとの連携トラブルが原因で、通話が途中で切れたり、誤って別部門に接続されたりする事例が発生してしまいます。
初期設定時に想定していたよりも着信が集中することで、通話待ちが長時間化し、顧客からの不満が増すケースもあります。
クラウド型IVRでも、同時通話数に上限があるため、事前の確認が必要です。
特にオンプレミス型の場合、録音データの保存先が分散したり、再生に専用ソフトが必要だったりと、業務効率がかえって悪化することもあります。
上記のような失敗を避けるために、次の3つの対策をおすすめします。
導入目的を明確にした上で、「対応時間の短縮」「顧客満足度の向上」「一次対応の自動化率」など、具体的な数値目標をKPIとして設定し、運用後も定期的に効果測定を行いましょう。
顧客が最短で目的にたどり着けるよう、簡潔で直感的な音声ガイダンスの設計を意識しましょう。
併せて、途中でオペレーターにつなげられる分岐を設けておくことも重要です。
システム構築からシナリオ設計、運用支援まで伴走してくれるパートナーを選ぶことが、成功の鍵を握ります。
多種多様なIVR製品・サービスの中から、自社に最適なソリューションを選定するには、事前の計画と明確な評価基準が不可欠です。
ここでは、導入プロジェクトをスムーズに進めるための4つのステップをご紹介します。
IVR導入における最初のステップは、要件定義です。
導入目的を明確化し、どのような業務を自動化したいのか、どのような顧客体験を実現したいのかを整理します。
要件定義でポイントとなる項目は、次の点です。
これらを事前に洗い出しておくことで、後工程での混乱を避けられます。
要件が固まったら、複数のベンダー・サービスを比較検討しましょう。
以下の評価軸が重要です。
近年では、本格導入前にPOC(概念実証)やトライアル導入を実施できるIVRサービスも増えています。
短期間でも実運用に近い環境でテストできるため、導入後の「想定と違った」を防ぐことができます。
トライアル・POCを利用することで、以下のような事前検証が可能です。
トライアル結果やベンダー評価をもとに、最終的なシステム選定を行います。
導入の意思決定には、調達・購買部門、情報システム部門、業務部門の三者連携が鍵となります。
最終決定時のチェックポイントは、以下の3点です。
特に、複数拠点やグループ企業への展開を予定している場合は、導入後の拡張性やライセンス体系にも注意が必要です。
IVR(自動音声応答)システムは、業務の効率化、顧客対応の質の向上、コスト削減など、企業活動に多大な効果をもたらすツールです。
特に、コール件数の多い部署や、営業時間外の対応が求められる業務においては、IVRの導入が競争力を高める一手となります。
システム選定の際には、機能や価格だけでなく、自社の業務課題にどれだけフィットするか、将来的な拡張性があるか、ベンダーのサポート体制が信頼できるかなど、総合的な視点での評価が重要です。
IVRシステムは一度導入すると長期的に活用されるインフラとなるため、ぜひ慎重に比較・検討し、自社に最適な選択をしてください。
CallKeeperDXのサービスページはこちら

扶桑電通株式会社 ビジネス推進本部
企画部 パッケージ推進課 チーフ
1982年生まれ 香川県出身。2010年扶桑電通株式会社入社。同社関西支店にて運送、製造業界を担当する営業としてお客様の業務課題の解決に向けたICTの導入を数多く経験。
その後2020年に現在のマーケティング職に異動し、お客様の電話を使った業務やカスタマーサポートのプロセスの最適化や効率化、利便性向上等電話業務全般に関わるコンサルティングに従事。日々お客様の電話業務にまつわる課題解決に取組んでいる。