カスハラ録音は合法?企業が従業員を守るための対策ガイド|メリットやシステム導入まで徹底解説【2025年版】

「お客様は神様」という言葉は、もはや過去のものとなりつつあります。
近年、「カスタマーハラスメント(カスハラ)」が深刻な社会問題として認識され、従業員の安全確保と企業のレピュテーション維持が喫緊の課題となっています。
特に、2025年にカスハラ対策がすべての企業に法的義務となる改正法(労働施策総合推進法)が行われ、2026年に施行される見込みで、企業規模を問わず、具体的な対策を講じることが急務となっています。
この法改正を背景に、カスハラ対策の一つとして注目されているのが通話録音システムです。
ただ、「顧客との通話を無断で録音しても本当に合法なのか?」「証拠能力は認められるのか?」といった疑問や、システム導入の具体的な進め方について悩まれている仕入購買・調達部門のご担当者様も多いのではないでしょうか。
そこで、この記事では、「カスハラ 録音」に関する法的側面の解説から、録音システムの導入メリット、具体的なシステムの選び方、そして貴社の従業員を守るための対策ロードマップまでをご紹介いたします。
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【結論】カスハラの無断録音は原則「合法」
カスタマーハラスメント(カスハラ)対策として通話録音を検討する際、最も懸念されるのが「無断で録音しても違法にならないか」という点でしょう。
結論から申し上げますと、従業員が自己防衛や証拠保全の目的で通話内容を録音することは、原則として違法にはなりません。
これは、刑法上の「盗聴」は、当事者ではない第三者が秘密裏に行う行為を指すためです。通話の当事者である企業や従業員が、相手に無断で会話を録音する行為は「秘密録音」と呼ばれ、違法性が低いとされています。
日本の法律では、録音行為そのものを一律に禁止する規定はありません。民事訴訟においては、会話の当事者による録音は「証拠能力」が認められるケースがほとんどです。
ただし例外も。違法性が問われるケースとは?
原則合法とされるカスハラの秘密録音ですが、例外的に違法性が問われる可能性があるケースも存在します。
それは、録音したデータを、脅迫や恐喝など、不正な目的で利用したり、事実を歪曲して第三者に無関係な第三者に漏えいしたりした場合です。
企業としては、録音データを適切に管理し、あくまで従業員と企業を守るための証拠保全という目的に限定して利用することが極めて重要です。
カスハラ録音の「証拠能力」はどこまで認められるか
カスハラの無断録音データは、民事訴訟(たとえば、従業員が精神的苦痛を負ったことに対する損害賠償請求や、企業に対する業務妨害の差止請求など)において、有力な証拠として扱われます。
裁判所が証拠能力を認めるかどうかの判断は、「録音方法の態様や、録音に至る経緯、証拠とすることの必要性」などを総合的に考慮して決定されます。
特に、カスハラのように感情的にもつれやすいトラブルにおいては、客観的な事実確認のための録音データ(客観的な証拠)が、被害を受けた従業員の主観的な証言以上に重視されるケースが多くあります。
企業が「カスハラ録音」を導入・運用するための実践ガイド
2025年の法改正に合わせて、通話録音をカスハラ対策の柱として導入するためには、システムの導入だけでなく、運用ルールと体制の整備が不可欠です。
ここでは、「カスハラ録音」の導入・運用を3つのステップでご紹介します。
ステップ1:社内ルールの策定(録音ガイドラインの作成)
まず、録音データの利用目的と管理方法を明確化した社内ガイドラインを策定します。
次の3点を盛り込みましょう。
- 録音の目的の明確化…「従業員保護」「カスハラ事実の証拠保全」「応対品質向上」などに限定しましょう。
- データの管理責任者・保管場所の指定…アクセスできる人を限定し、情報漏えいを防ぎましょう。
- データの保存期間の定義…不必要に長期保存せず、個人情報保護の観点から適切な期間を定めましょう。
ステップ2:従業員への周知と研修の実施
策定したガイドラインを全従業員に周知し、特に顧客対応部門の従業員に対しては、以下の内容を含む研修を実施しましょう。
カスハラの定義と対応の基本方針…「過剰な謝罪をしない」「違法な要求に安易に応じない」など。
録音の目的と証拠保全の重要性…録音は「会社と従業員を守る盾」であるという認識の徹底。
事後の報告手順…カスハラ被害が発生した際の、録音データを含む記録方法と相談窓口への報告フロー。
ステップ3:顧客への告知方法を検討する
無断録音でも違法性は低いとはいえ、利用目的を事前に通知することで、顧客との信頼関係を高められ、クレームの抑止にもつながります。
電話応対においては、「この通話は応対品質の向上のために録音しております」といった自動音声ガイダンスを導入することが効果的です。
「カスハラ録音」に通話録音システムを導入するメリット
通話録音システムは、企業のカスハラ対策、ひいては経営改善にも貢献します。
通話録音システムを導入するメリットは、次の3点です。
メリット1:カスハラの客観的証拠を確保できる
人間の記憶は曖昧なため、特にカスハラのようなストレス下では正確に覚えておくことは困難です。
そこで、システムによる全通話の自動録音が、「言った・言わない」を確実に防ぐ、最も客観的で正確な証拠となります。証拠があれば、法的措置の検討もスムーズになります。
メリット2:迷惑電話の一次対応を自動化できる
IVR(自動音声応答)やAIを活用したシステムを組み合わせて導入することで、「この通話は録音しています」という抑止効果のあるメッセージを自動で流すことが可能です。
悪質なクレーマーは録音を嫌がるため、この時点で過剰なクレームの抑制につながるでしょう。
メリット3:従業員の心理的負担を軽減できる
「理不尽な要求や暴言を浴びせられても、会社が守ってくれる証拠が残る」という安心感は、顧客対応を行う従業員の心理的負担を大きく軽減するでしょう。
これにより、「安心して働ける職場」の意識が高まり、離職率の低下にもつながります。
CallKeeperDXが電話のカスハラ対策におすすめな理由
カスハラ対策に有効な通話録音システムの中でも「CallKeeperDX」をおすすめします。
理由は、次の4点です。
理由1:録音を予告することで、カスハラを未然に防ぐ
「この通話は録音しています」というメッセージを自動で流すことで、カスハラに対する抑止効果が期待できます。
理由2:全通話自動録音で「言った・言わない」を確実に防ぐ
CallKeeperDXは、電話回線に接続するだけで、全ての着信・発信を自動で録音します。
このため、従業員が「録音し忘れた」というミスがなくなり、カスハラ発生時に確実な証拠を確保できます。
理由3:着信拒否機能で、繰り返される迷惑電話をシャットアウト
悪質と判断された電話番号をブラックリストに登録し、システム側で着信を拒否することが可能です。
これにより、従業員が同じクレーマーによる繰り返しのハラスメントにさらされるのを防げます。
理由4:着信ポップアップで「誰からの電話か」を事前に把握
着信時に過去の対応履歴や顧客情報をPC画面にポップアップ表示できます。
これにより、従業員は、たとえば「この電話は過去にトラブルがあったお客様だ」と事前に察知し、心の準備や対応の引き継ぎをスムーズに行うことができ、二次被害の防止に役立ちます。
カスハラ対策のチェックリストはこちら
まとめ
カスハラ対策の義務化が目前に迫る中、通話録音システムの導入は、もはや「あれば便利」なツールではなく、従業員を守り、企業価値を維持するための必須の対策となりつつあります。
カスハラの録音は原則合法であり、そのデータは従業員と企業を不当な要求から守る強力な「盾」となるでしょう。
法的側面を理解し、CallKeeperDXのような実践的なシステムを導入することで、「従業員を大切にする企業」としての信頼を勝ち取ることができます。
著者情報

辻 周平
扶桑電通株式会社 ビジネス推進本部
企画部 パッケージ推進課 チーフ
1982年生まれ 香川県出身。2010年扶桑電通株式会社入社。同社関西支店にて運送、製造業界を担当する営業としてお客様の業務課題の解決に向けたICTの導入を数多く経験。
その後2020年に現在のマーケティング職に異動し、お客様の電話を使った業務やカスタマーサポートのプロセスの最適化や効率化、利便性向上等電話業務全般に関わるコンサルティングに従事。日々お客様の電話業務にまつわる課題解決に取組んでいる。





