【2024年最新】ペネトレーションテストツールおすすめ5選比較!実施方法など詳しく解説

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

ペネトレーションテストのツールを利用して、定期的にペネトレーションテストを実施することで、システムのセキュリティを継続的に向上させることができます。

攻撃者の視点からシステムを分析し、脆弱性を突いた攻撃を仕掛けることで、システムに潜むセキュリティリスクを明らかにすることが可能なためです。

逆に、ペネトレーションテストを実施しなければ、不正アクセスによって、個人情報や機密情報が漏えいしたり、システムが停止したりといったセキュリティリスクが発生するでしょう。

本コラムでは、ペネトレーションテストの概要や実施方法、おすすめツールなどをご紹介いたします。


SasaL AIペネトレーションテストサービスページはこちら!

ペネトレーションテストとは

 ペネトレーションテストとは、ネットワークそのものや、ネットワークに接続されているPCやサーバー、システム、脆弱性を検証するテスト手法の1つで、「ペンテスト(pen test)」とも呼ばれます。

 また、実際にネットワークに接続してシステムに攻撃を仕掛け、侵入を試みることから、「侵入テスト」や「侵入実験」と呼ばれることもあります。コンピュータの世界における避難訓練の一つです。

 企業などの組織が実際にサイバー攻撃を受けた場合に、施しているセキュリティ対策がどこまで耐えられるかを評価できます。

 脆弱性診断テストとの違い

 ペネトレーションテストと似たものに「脆弱性診断テスト」があります。

脆弱性診断テストとは、システムの欠陥(脆弱性)を洗い出すために実施するテストで、OSやネットワーク環境、Webアプリケーション、クラウド環境などが対象となります。システム内のセキュリティホールや不適切な設定などを検出して特定した上で、リスク評価まで行います。

多くの場合、対象となるシステムなどが開発された後や、アップデート後に実施します。

 ペネトレーションテストが、想定される攻撃のシナリオを作成した上で特定の意図を持つ攻撃者が攻撃に成功するかどうかを検証するテストであるのに対し、脆弱性診断とはシステムに存在する脆弱性やセキュリティ的な不備を網羅的に検査します。

 このように、ペネトレーションテストと脆弱性診断テストとは、目的が大きく異なります。また、テスト実施のために利用するツールも異なります。

 

ペネトレーションテストを実施するには、セキュリティベンダーに依頼するか、自社でテストツールを導入して実施するかの2通りの方法があります。

 前者は、社内に専門知識を持つ担当者がいなくても実施が可能な点がメリットですが、費用がかかってしまう点がデメリットです。

一方、後者の場合、ツールを選定・導入して、自社でテストを実施するため、手間と時間がかかりますが、無料で利用できるテストツールも提供されているため、予算に合わせて実施することが可能です。

 ここでは、後者(自社でテストツールを導入して実施する場合)の流れを簡単にご紹介いたします。

 

ペネトレーションテストのシナリオを作成

 まずは、どのような攻撃者がどういった目的で、何の手段を用いて侵入を試みるかを想定したシナリオを作成します。

 たとえば、

・外部のサイバー攻撃者が機密情報を狙ってインターネット経由で外部公開サーバーへ侵入を試みる

・社内の特定のPCが乗っ取られたことを想定し、そこからさらに、ファイルサーバーへの不正アクセスを試みる

・マルウェアが添付されたメールを従業員が開いてしまう

といったものが例となりますが、あくまでも概要なので、ここからさらに詳細を詰めていく必要があります。

 シナリオを作成する際に外せない項目が「攻撃目的」「攻撃対象」「攻撃手段」の3つです。これらを軸として、攻撃されるシナリオを想定しましょう。

 ペネトレーションテストの実施

 作成したシナリオに基づいて、実際にペネトレーションテストを実施します。

実施に際して、ドメイン名やIPアドレス、使用している技術やツールといった、ペネトレーションテストの対象となるシステムやアプリケーションの情報を収集しておく必要があります。

 また、実施の前に対象となる組織やシステムの管理者から許可を得て、「テストの目的・期間・方法」などを明確にして、関連するステークホルダーと情報共有しておくことが大切です。

 手段としては、テスト自動化ツールを使用することもあれば、高度なスキルを持つ人材が手動で行うこともあります。自動化ツールは多くの脆弱性を迅速に検出できますが、ツールが脆弱性を見逃してしまう可能性もあるため、手動テストを組み合わせることで、より網羅的にテストを実施することが可能です。

 ペネトレーションテスト報告書の作成

 ペネトレーションテストの結果を分析し、見つけた脆弱性やその原因、対策の提案などを含む報告書を作成します。

 テストの目的や範囲、テスト概要から始め、主要なリスク、脆弱性の詳細、結論、対策といった項目で構成すると良いでしょう。

 なお、ペネトレーションテストの結果には、対象のシステムやアプリケーションの脆弱性の詳細な情報が含まれている場合があります。この情報が第三者に漏れると、悪意のある攻撃者に利用されるリスクがあるため、報告書の取り扱いには十分な注意が必要です。

 テストを実施したら、使用したアカウントやツールの痕跡をきれいに消去し、テストで変更した設定やデータを元に戻すことも忘れずに行いましょう。

  主なペネトレーションテストツール

 「ペネトレーションテストとは」でお伝えしたように、ペネトレーションテストの実施方法には2通りあります。

 ここでは、テストツールを導入して自社で実施する企業様のために、おすすめのペネトレーションテストツールをご紹介いたします。

 Kali Linux(カーリー リナックス)

https://www.kali.org/get-kali/

 Kali Linux(カーリー リナックス)は、無料※1で利用できるオープンソースのペネトレーションテストツール(Linuxディストリビューション)です。

 Nmap、Metasploit Framework、Aircrack-ng、Wiresharkなど、ペネトレーションテストが可能な約600ものツールが利用できます。これらは、システムやネットワークの脆弱性を探したり、攻撃を模倣したりするためのさまざまなシナリオで使用可能です。

 ペネトレーションテストのほか、デジタルフォレンジック※2にも利用されています。

 セキュリティエンジニアやセキュリティ研究者にとって欠かせないツールである一方、一般ユーザーも、セキュリティに関する知識を学ぶためのプラットフォームとして利用できます。

 ※1 Kali Linux自体は無料でダウンロード・使用できますが、特定のツールでは、別途ライセンス料がかかります。また、Kali Linuxを学ぶためのトレーニングや認定試験は、Offensive Securityなどの提供組織から有料で提供されています。

※2 デジタルフォレンジックとは、犯罪の法的な証拠を見つけるために、コンピュータやデジタル記録媒体の中に残された証拠を調査・解析する鑑識捜査のことです。

 Metasploit Framework(メタスプロイト・スレームワーク)

https://www.metasploit.com/

 Metasploit Framework(メタスプロイト)は、ラピッドセブン社(Rapid7 Inc.)が提供するペネトレーションテストツールで、セキュリティホールの検出やアンチフォレンジクスとしても利用されています。

 もともと、オープンソースのプロジェクトとしてスタートした「Metasploit」で開発されたものでしたが、2009年に、脆弱性の統合管理ツール「NeXpose」などを開発したサイバーセキュリティ会社であるラピッドセブンに買収された経緯があります。

 システムやアプリケーションに存在する脆弱性を利用して、不正な操作や攻撃を行うためのプログラムである「exploitコード」の作成・実行が行え、テスト後はレポート機能で統計データのチャートやグラフを表示することが可能です。

 
Burp Suite(バープ スイート)

https://portswigger.net/burp

Burp Suite(バープ スイート)は、英国のサイバーセキュリティ企業であるPortSwigger Ltd.が提供するJavaアプリケーションで、ペネトレーションテストのほか、Webアプリケーションのセキュリティ対策として利用されています。

 主に次のような機能から構成されています。

・プロキシサーバ(Burp Proxy):ブラウザとWebアプリケーション間のトラフィックをキャプチャし、ユーザーがリクエストやレスポンスを分析・変更できるようにします。

・Webクローラ(Burp Spider):Webアプリケーションの内容を自動的にクロールし、アプリケーションの構造をマッピングします。

・侵入ツール(Burp Intruder):ターゲットとなるリクエストをカスタマイズして大量に送信することで、さまざまな攻撃を自動化します。

・脆弱性スキャナ(Burp Scanner):Webアプリケーションの脆弱性を自動的にスキャンします。

・HTTPリピータ(Burp Repeater):リクエストを繰り返し送信し、手動でのテストを容易にします。

 Nmap(エヌマップ)

https://nmap.org/

 Nmap(エヌマップ)は、ネットワーク探索およびセキュリティ監査ツールとして広く知られているオープンソースのソフトウェアで、ペネトレーションテストにも利用されています。なお、Network Mapperを略して「Nmap」と呼ばれています。

 主な機能としては、特定のネットワーク範囲内のアクティブなホスト(デバイス)を探索・特定してくれる「ホストの探索機能」、ホストに開いているポートを特定し、使用されているサービスやプロトコルを識別してくれる「ポートスキャン機能」、ネットワーク上のデバイスがどのオペレーティングシステムを実行しているかを推測してくれる「OS検出機能」などを持ちます。

 ペネトレーションツールとして活用する場合は、攻撃対象のネットワークやシステムの弱点を特定するための前段階としての情報収集するために使います。

 Wireshark(ワイヤーシャーク)

https://www.wireshark.org/

 Wireshark(ワイヤーシャーク)は、ネットワークトラフィックを解読するための、オープンソースの分析ツールで、ペネトレーションテストツールとしても利用されています。ネットワークのトラフィックを詳細に調査・分析するための強力なツールとして、多くのプロフェッショナルから高い評価を受けています。

 主な機能としては、リアルタイムでネットワークトラフィックをキャプチャしてくれる「パケットキャプチャ機能」、キャプチャしたデータを詳細に分析し、各プロトコルやトランザクションについての情報を表示してくれる「データ分析機能」、特定のプロトコルやIPアドレス、ポートなどに関するトラフィックのみを表示してくれる「フィルタリング機能」などを持ちます。

 

まとめ

 近年、デジタル化が進行し、企業や政府機関などの多くの組織がオンラインでの活動を増やしています。これに伴い、サイバー攻撃のリスクも増大しており、情報資産の保護が極めて重要となっています。

 ペネトレーションテストは、攻撃者の視点に立った情報セキュリティ上の避難訓練ともいえ、自社のネットワークや、ネットワーク上の機器の脆弱性を把握し、改善につなげるために重要です。

 ペネトレーションテストを実施するには、外部のサービスを利用して実施するか、ペネトレーションテストツールを導入して自社で実施するかの2択となります。後者の場合は、上でご紹介したようなツールを導入して、「シナリオ作成」「テスト実施」「報告書作成」の手順で取り組みましょう。

 

扶桑電通では、AIを応用したセキュリティ診断サービス「SasaL AIペネトレーションテストサービス」を提供しております。「SasaL AIペネトレーションテストサービス」は、従来のセキュリティ診断に比べ「3倍安く」「3倍早く」「3倍高品質」を実現した、AIによるアプリケーションセキュリティ検査です。

 調査から対策までワンストップで対応。しかも、高品質でスピーディです。IPAが公開する「情報セキュリティサービス基準適合サービスリスト(脆弱性診断サービス)」に掲載された高品質なサービスを、最短2営業日で診断実施し、セキュリティエンジニアによる手動診断と報告書作成、報告会開催まで、最短2週間での提供が可能です。

 詳しくは、下記の詳細ページをご覧ください。

AIペネトーレーションテストサービス


情報セキュリティ監査についての資料はこちら!
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

お問い合わせ

資料請求・お問い合わせは、以下メールフォームからお問い合わせください。

製品・ソリューションについて

お役立ち資料一覧

PAGE TOP