電話のカスハラ対策はなぜ必要?
今始めるべき理由と対策のポイントを解説
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顧客や取引先などが過剰な要求・不当な言いがかりをつけたり、暴言・威嚇・脅迫など就業者の尊厳や人格を傷つけたりするカスタマー・ハラスメント(以下、カスハラ)が社会課題となっています。社会全体でカスハラを抑止するには、企業や組織の積極的な取り組みが欠かせません。
2025年4月1日より東京都・群馬県・北海道・三重県桑名市の4自治体でカスハラ防止条例が施行されました。他の自治体でも条例化の検討が進んでおり、今後は多くの自治体でカスハラ防止条例が施行される可能性が高いと考えられます。
また、2025年6月11日には労働施策総合推進法等が改正され、カスハラの防止措置が事業者の義務となることが決まりました。
この法律は、公布日から1年6カ月以内に施行されます。
カスハラ対策は「待ったなし」の状況と言えるでしょう。
本コラムでは電話対応におけるカスハラ対策として「録音予告」と「通話録音」について解説。
これらの機能を備えたサービスとして、扶桑電通株式会社の「CallKeeperDX」を取り上げ、カスハラ対策に取り組んだ自治体のケーススタディを紹介します。
1.カスハラが個人や企業・組織に及ぼす影響
東京都のカスハラ防止条例では、事業者に対してカスハラの防止に主体的かつ積極的に取り組むことを求めています。なぜ、事業者がカスハラ対策に取り組む必要があるのでしょうか。
パーソル総合研究所が2024年に実施した「カスタマーハラスメントに関する定量調査」(※1)によると、顧客折衝があるサービス職の35.5%が過去に顧客からのハラスメント・嫌がらせを受けています。
本項では、厚生労働省が制作した「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」(※2)を参考に、カスハラによって個人や企業・組織にどのような影響があるのか解説します。
就業者個人への影響
・業務のパフォーマンスが低下する
カスハラ対応に時間をとられるだけでなく集中力の低下によってさらなるパフォーマンス低下を招きます。
・健康を損なう
ストレスによって頭痛や耳鳴りなどの症状が出たり、精神疾患を起こしたりする可能性があります。
・現場対応への恐怖感や苦痛が生まれる
恐怖感や苦痛があると、健康不良がさらに悪化し、休職・離職につながる恐れもあります。パーソル総合研究所の「カスタマーハラスメントに関する定量調査」では、1年以内にカスハラの被害を受けた人は、受けていない人に比べて年間の離職率平均が1.3倍高いという結果が出ました。
企業・組織への影響
・時間を浪費する
現場対応や社内での対応検討などに時間がかかります。
・業務に支障が出る
個人の業務パフォーマンスが低下すると、全体としての生産性低下につながります。
・従業員が休職・離職する
人員不足によって生産性が低下します。さらに、新規採用や教育を行うコストがかかります。
・ブランドイメージが低下する
カスハラ対応によって他の顧客がサービスを受けられなかったり、SNSなどで悪評を拡散されたりすることによって、ブランドイメージが低下する可能性があります。
※1 パーソル総合研究所「カスタマーハラスメントに関する定量調査」
https://rc.persol-group.co.jp/thinktank/data/customer-harassment.html
※2 厚生労働省「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」
https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/000915233.pdf
2.電話対応に潜むカスハラのリスク
前項では、事業者がカスハラ対策に取り組むべき理由について説明しました。しかし、何から手を付ければいいのか悩んでいる事業者も多いのではないでしょうか。
カスハラにはさまざまなケースがありますが、中でも優先的に対策をとるべきは電話でのカスハラです。
熊本市が職員を対象に行った調査(※3)では、カスハラ対応時の形態として最も多かったのが電話でした。
電話は直接訪問する必要がなく、匿名性が高いために、対面よりもカスハラが起こりやすいとされています。
さらに、相手の顔が見えないために感情的になりやすい側面もあります。
熊本市の調査では、電話対応におけるカスハラの内容として、「説明を終了したにも関わらず続く長電話(目安として30分以上)」や、「度重なる電話」が挙げられました。
電話は相手と1対1の会話であるため、カスハラを受けても周囲から気付かれにくいのが特徴です。
通話の内容が記録に残っていなければ、カスハラを受けた就業者が上司に報告しても取り合ってもらえず、孤立する可能性があります。
孤立した状態が続くと、休職や離職につながりかねないため、早急な対策が必要です。
次項では、電話でのカスハラを防止するための具体的な対策について解説します。
※3 熊本市「令和5年度におけるカスタマーハラスメントの実態に関する調査について」
https://kumamoto-shigikai.jp/common/UploadFileDsp.aspx?c_id=47&id=1229&sub_id=1&flid=5572
3.電話のカスハラ対策は「録音予告」と「通話録音」
電話でのカスハラを防止する対策の一つが「通話録音」です。「録音予告」と組み合わせることで、さらに効果を高められます。
それぞれの効果について説明します。
録音予告メッセージの効果
「この通話は録音されています」といった予告メッセージを流すと、感情的になっていた相手が冷静さを取り戻すことが期待できます。
通話録音の効果
・通話の記録が残る
全ての通話を録音しておけば、カスハラが発生した場合に備えてエビデンスを残せます。
・「言った・言わない」のトラブルを防げる
後から録音を聞き返して事実を確認することができます。
・カスハラを分析できる
録音データを元に、どういった電話がカスハラに該当するのか分析し、カスハラとそうでない電話を切り分ける際の参考にすることができます。
・社内教育にも活用できる
実際にカスハラがあった場合の録音データを、現場で電話を受ける担当者の教育に活用できます。
4.最小限の手間とコストでカスハラ対策をスタート
録音予告と通話録音を短期間・低コストで導入できるさまざまなサービスが登場しています。ポイントは、サポートが充実しているサービスを選ぶことです。専門知識がなくても、サポートを受けながら導入・運用できるためです。
自治体がカスハラ対策としての通話録音サービス導入を後押しする動きも始まっています。
例えば東京都では、カスハラ防止条例の施行後にマニュアルを整備し、実践的なカスハラ対策を行った企業等に対して奨励金を支給する事業を開始しました(※4)。
「実践的なカスハラ対策」の対象となる取り組みの一つに、「録音・録画環境の整備」があります。
対象となるのは常時雇用する従業員が300人以下の中小企業等で、奨励金額は定額で40万円。
こうした制度を利用するのも、カスハラ対策を進めるための一つの手です。
扶桑電通株式会社は、録音予告メッセージや通話録音など、電話業務に使うさまざまな機能をオールインワンで備えた電話業務DXサービス「CallKeeperDX」を提供しています。次項では、CallKeeperDXを導入してカスハラ対策に取り組んでいる自治体のケーススタディをご紹介します。
※4 東京都 カスタマーハラスメント防止対策推進事業
https://www.tokyo-cusharaboushi.jp/
CallKeeperDXのサービスページは、こちらをご覧ください。
5.ケーススタディ:自治体への電話によるカスハラをCallKeepreDXで防止
この自治体(市役所)には、市民からの問い合わせや意見の電話が多くかかってきます。
その中にはカスハラに該当する電話も含まれており、対応する職員の精神的負担が大きいことが問題でした。
厚生労働省や全国の自治体でカスハラ防止の議論が活発に行われるようになったことを機に、積極的にカスハラ対策に取り組むことになりました。
相談を受けた扶桑電通は、CallKeeperDXを提案。
導入の決め手となったのは、録音予告と通話録音の他にも、電話取次を自動化できるIVR機能など、電話業務改善に役立つ機能がそろっている点でした。
また、CallKeeperDXはオンプレミス型のサービスであるため、クラウド型のように録音データを外部に保存する必要がなく、庁舎内のサーバーに保存できる点が、個人情報保護やセキュリティの観点からも非常に重要視されました。
24時間365日対応のコールセンターがある点も、決め手の一つです。
自治体では夜間や土日祝日も職員が外部と電話でやり取りをしたり、市民からの電話に対応したりする場合もあるためです。
さらに、緊急時や災害時など、一刻も早い対応が求められる状況での設定変更や障害発生時にもサポートが受けられる点が評価されました。
導入後はカスハラの件数が減少し、職員の精神的負担が軽減されました。
今後はカスハラ対策をさらにブラッシュアップするため、蓄積した録音データを分析してマニュアル整備や職員教育に活用しようと検討中です。
6.CallkeeperDXの特長
扶桑電通のCallkeeperDXは、自治体をはじめ、病院や金融機関、民間企業など、業種や規模を問わず多数の導入実績があります。特長について説明します。
録音予告メッセージと全自動録音
カスハラを減らす効果がある録音メッセージ予告を流すことができます。また、カスハラ防止の観点からは、通話の記録を確実に残すことが重要です。通話中に録音ボタンを押すことで録音される「手動録音」は、ボタンの押し忘れによって録音されない可能性があります。一方、CallKeeperDXは全ての通話が自動的に録音されるため、カスハラ発生時のエビデンス保存を確実に行えます。
電話業務の効率化に使える機能をオールインワンで提供
通話履歴の検索機能やIVR機能(自動音声応答)、着信時の顧客情報ポップアップ機能など、電話業務を効率化するための機能が1つのサービスに集約されています。複数のサービスを別々に契約する必要はありません。
短期間・低価格で導入可能
CallKeeperDXの導入までに必要な期間は、目安として約2カ月。早急にカスハラ対策を行いたい場合にも適しています。必要な作業は、電話交換機の前にCallKeeperDXの機器を設置するだけです。どのメーカーの電話交換機や電話機でもそのまま利用できるため、既存の機器を入れ替える必要がなく、コストを抑えられます。
24時間365日対応のコールセンターを設置
システムの稼働後は、24時間365日対応可能なコールセンターで問い合わせを受け付けています。障害発生時の対応やシステムの操作について、夜間や年末年始でも相談できます。
7.まとめ
カスハラは対応に当たった就業者個人だけでなく、企業・組織の全体に大きな影響を及ぼします。事業者が適切なカスハラ対策を実施することが重要です。カスハラの多くは電話対応で起きており、受けた担当者が孤立するリスクがあるため、優先的にカスハラ対策を行うべきです。録音予告と通話録音によって、カスハラを減らす効果が期待できます。
扶桑電通のCallKeeperDXは、カスハラ防止に効果を発揮するだけではなく、電話応対業務を全般的に効率化できる機能がそろっています。
詳しい情報が必要な場合は、お気軽にお問い合わせください。
CallKeeperDXのIVR機能について解説した記事は、こちらをご覧下さい。





